81年、スタグフレーションの下で大統領となったレーガンは、企業および個人に対する思い切った減税、軍事支出の増大など、積極財政を展開しました。一方、インフレ退治のため、通貨供給量を強く抑制する金融引締め・高金利政策を実施しました。この結果、82年の成長率はマイナスとなりましたが、83年からは物価も安定し、景気は回復に向いました。スタグフレーションを克服したレーガノミックスは、その後8年近くにわたって、長期の景気拡大局面を続けました。そしてこの間、1700万人もの雇用増を実現します。こうした明るい面をみると、84年の大統領選挙で、レーガンが“アメリカは甦った(Americaisback!)”と胸を張ったのもうなずけます。しかし、実はこの間に、アメリカ経済の基礎的体質は急激に悪化しはじめたのです。
日本はいまや世界最大の援助大国です。1991年度の政府開発援助(ODA・OfficialDevelopmentAssistance)は100億3,400万ドル(3兆3,600万円)、民間の輸出信用供与や直接投資などをあわせた途上国への資金還流額は250億ドルにも膨らんでいます。しかし日本の援助には不満も高まっています。ODAは絶対額では世界一ですが、GNP比は0.32%で、OECDの開発援助委員会(DAC)に加盟している18力国のなかで12位、使い道を制限しない贈与の割合は半分以下で最下位です。贈与の比率や金利、期間をもとに、援助される国の有利さを示すグラント・エレメントも17位で、援助の質はなお低いままです。援助の質とともに、ヤリ玉に上げられているのは、援助の理念がはっきりしないという点です。政府は?発展途上国の貧困や飢餓を救うための人道的な援助?国際社会の相互依存関係を考えて、発展途上国の安定と発展につながる援助を基本にしてきた、と説明しています。しかし、途上国から頼まれて援助をする要請主義をとってきたため、日本の主張はぼやけてしまい、「顔の見えない援助」といわれるようになりました。外交と経済協力をからませた戦略的援助がいいかどうかはともかく、「施し」の感覚で援助を続けていては、相手国と心の通い合った経済協力にはならないでしょう。
バイオエタノールの原料であるトウモロコシをつくるさいには、農地に石油を原料とする肥料や農薬が使われるし、農業機械の燃料も石油である。そのうえ、トウモロコシからエタノールを製造する過程においても石油が投入される。つまり、バイオエタノールを使用するまでに、多くの石油を消費しなければならないのである。しかも、バイオエタノールは、投入した石油よりも少ない量しかとれない。となると、トウモロコシは食糧、飼料として消費するほうが無駄がないと武田氏は主張する。だが、いずれにしても、バイオエタノールの生産は今後ますます増加していくはずだ。そうなった場合、農産物を食べるのか、燃料にするのかが問題になってくる。先進国が穀物を車の燃料にすることで、最貧国の人々が食糧不足に陥り餓死していく。この矛盾点が、日本をふくめた先進国に突きつけられているのである。