北海道へ行って大衆食堂に入ったら「すき焼き」のほかに「牛すき焼き」というメニューがあった。ここでは「すきやき」といえばとくに断らない限りは豚肉でするのだ。私の友人で十勝の農家出身の人は、札幌に出てくるまで牛肉を食べた経験がなかったそうだ。むかしは北海道で牛肉といえばホルスタインの乳牛でミルクが出なくなったのをつぶしたものが多く、「乳臭くてまずいもの」という感覚があったというのである。日本中でおいしい肉が食べられるようになったのはそんなに昔のことではない。こうした習慣とか生活様式は、西日本と東日本で大きく分かれる。ウナギのさばきかたが背開きか腹開きかの境は浜名湖というが、だいたいものによるが、関ヶ原と浜名湖の間のどこかで線が引かれる。こうした県民性を語ると、「日本は狭いのに」という言葉がすぐに聞かれる。しかし、これはまったくの間違いだ。日本はとても広い国なのだ。
3時29分、列車は瀬戸大橋をめざして発車。30分ほどでJR四国との境界駅・児島に着き、しばし停車するものの、ドアは開かない。JR西日本とJR四国との、乗務員交代のためだ。そして、いよいよ瀬戸大橋へ。夜なので海は見えないが、さながら銀河鉄道に乗って夜空を走っているような気分だ。島の灯り、船の灯り、そして街の灯り騒音軽減のため、昼行列車の約半分のゆっくりしたスピードで、空中散歩を続ける。四国に上陸して、坂出近くのジャンクション区間を予讃線へかけおり、少し走って多度津に停車。ドアを閉じたままで、「ムーンライト高知」を切り離す。多度津での切り離し後は予讃線を進み、車窓からは朝の瀬戸内海の情景が楽しめる。せっかく松山までは電化されているにもかかわらず、JR四国は電気機関車を持っていない。なので架線の下を、ディーゼル機関車が松山まで牽引していく。終点の松山には7時53分の到着。駅前の電停からは、道後温泉行きの路面電車(伊予鉄道)が出ている。これに乗って、朝風呂なんてのもいい。20分ほどで着くので、時間に余裕のあるならひと風呂浴びてみよう。入浴のみ利用は1階の霊の湯へ。また、サイフに余裕のある向きは2〜3階へ。文豪・夏目漱石もくつろいだという座敷もある。汗を流した後は、温泉街の土産屋をひやかすのも楽しい。
長期ドライブをするなら、レンタカーを借りるより購入したほうが得なことがある。ただし、タイヤ交換の仕方やエンジンオイル交換、冷却水の補充など、最低限の車の知識をつけてから。車を購入する際には、ディーラーを介して買うか、新聞や雑誌広告を見て直接交渉を。その際のチェックポイントは、年代、メーカー、車検や保険の終了期間など。また、購入前の試乗は忘れずに。試乗時のチェックポイントはレンタカーとほぽ同じ。ときどき、試乗しようと行ってみたらエンジンなしの車体だけの金額だったりしてビックリ。広告表示の勘違いはほかにもある。たとえば、オーストラリアでは、車のことを「Wheel(ホイール)」という人がいる。新聞広告にもよく「ホイール売ります!」とあるが、これはバカ高いタイヤのことではなく、車のことをさしていることがあるのだ。