早い段階で学力をつけてあげると、子どもたちは自信を持ちますから、大きな心の「ゆとり」が生まれます。それは間違いないと思います。また物理的にも、人が三時間かかる勉強を一時間半でできるなら、より少ない勉強時間で、より多くの勉強量がこなせます。それこそまさに、時間の「ゆとり」を生むのです。だから私は、受験生には「先行逃げ切り型」の勉強をすすめているのです。陰山学級の卒業生が話しているビデオを見せてもらいましたが、みな口々に、「小学校のときの勉強で受験が楽になった」とか、「暗記するのが苦にならなくなった」と言っていますよね。難関国立大学や医学部に何人もの卒業生が合洛しているのは、徹底反復で確かな学力がついていて、学力に「ゆとり」があったからこそです。それに、子どものころというのは、大人が考えているほど、単純暗記が苦にならないんですよ。心理学の用語では、記憶には「意味記憶」と「エピソード記憶」があります。意味記憶というのは、言葉や数字を理解なしに覚えてしまうという記憶です。エピソード記憶というのは、体験に基づいて覚える記憶です。「理解を伴った記憶」はエピソード記憶の中に含まれ、「理解を伴わない単純な記憶」は意味記憶とされています。私たち大人は、単純暗記は苦手でつらいものなのですが、小学校低学年のうちは、そうでもないんです。むしろ、低学年や幼児というのは単純暗記がしやすい意味記憶中心の記憶システムになっているんです。ですから、この時期に繰り返し何度も書かせたり読ませたりして、頭の中にどんどんと素材を放り込んでやるのは、理にかなっているといえます。大人とは違う記憶システムを持った小学校低学年の時期というのは、「詰め込み教育」のほうが向いているとも言えるんです。余談になりますが、今日個別指導塾が補習塾として為になると大学受験生の間で大変好評をえています。
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