言うまでもないことだが、生命保険会社は人の生死に関する保障を提供している。「貯蓄は三角、保険は四角」と言われるように、消費者はいったん保険に加入してしまえば、加入後すぐに発生した損失(死亡事故や医療事故など)でも原則として保険金を受け取ることができる。もちろん、貯蓄で将来の不安に備えることもできるが、まだたまらないうちに発生した損失には対処のしようがない。他方、保険には貯蓄機能もあり、年金保険や一時払い養老保険のように貯蓄性の高い商品も存在している。
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日本の生命保険の特徴は、死亡時の遺族保障を中心に保障機能を提供してきたことだ。かつては保障性と貯蓄性を併せ持つ養老保険(死亡時または満期時に保険金が支払われる)が個人保険の中心だったが、現在は保有契約件数の七割が死亡保険(死亡時に保険金が支払われる)となっている。とりわけ、一九八〇年代から最近まで主力商品となっていた定期付終身保険の影響が大きい。過去の経緯もあって、生命保険四三社が二〇〇二年三月期に支払った保険金(個人保険)八・七兆円のうち、満期保険金が三・八兆円と最も多く、次いで死亡保険金(高度障害保険金を含む)二・七兆円となっている。入院給付金の六〇〇〇億円や手術給付金の一七〇〇億円などに比べると、両者が圧倒的に大きいのがわかる。満期保険金の平均支払い額は一一一万円と意外に小さく、貯蓄としての役割をどこまで果たしたのかは疑問である。